お口のはなしC口腔カンジダ(2)【リベルタ掲載】
口腔カンジダ症は、@舌がピリピリする、A舌を含めた口内の違和感、B飲食時にしみる、C口内が乾きやすい、などの症状から検査をし、治療を開始します。

治療方法は、主に抗真菌剤の“うがい薬”や塗り薬、飲み薬による治療が知られています。
治療で使う抗真菌剤は、基本的に経口剤です。最近は有効性の高い薬もあり、当院では抗真菌剤のシロップ剤で、うがいによる治療をしています。
シロップを数十秒ほど口に含み、ゆっくりと全体に行きわたらせ吐き出す方法です。
1日1回約1週間程度続けることで、口腔カンジダを容易に治療できます。

大切なのは口の中を清潔にして、少しでも菌が増殖しないようにすることです。これを口腔ケアといいます。
歯磨きは口腔ケアの基本です。口腔カンジダ症の予防のためにも、日頃から丁寧な歯磨きが大切です。
しかし、高齢者など免疫力が落ちていると考えられる方は、口腔ケアをしっかりとしていても口腔カンジダを発症する場合があります。
こり場合、口の中を清潔にするだけでなく、抗真菌剤での治療を行うことをお勧めします。

次回は口腔乾燥症(ドライマウス)についてお話しします。

 お口のはなしB口腔カンジダ(1)【リベルタ掲載】
口の中に「カビが生える」ことをご存知ですか?
カビといっても正確には真菌、生物学的に似たものでは白癬(はくせん)、いわゆる水虫です。
口の中のカンジダを「口腔カンジダ」と言います。
以前は抗ガン剤、ステロイド剤、免疫抑制剤、抗菌剤を長期内服している方、糖尿病、後天性免疫不全症候群(エイズ)の方が多いと言われてました。
しかし最近では、@舌がピリピリする、A舌を含めた口内の違和感、B飲食時にしみる、C口内が乾きやすい、などの症状がある患者さんを診察すると、カンジダが原因であることが良くあります。

意外と思われがちですが、味覚障害(食べ物の味が変だ、食べ物の味がしない、何も食べていないのに味がするなど)、入れ歯が痛いなどの症状が口腔カンジダのこともあります。
患者さんの話を聞くと、抗うつ剤や入眠剤を内服されている方もいます。
口の中を診察すると、粘膜が赤くただれていたり、白い苔みたいなものが付着していたり、口角炎のような症状があります。
診断には、症状のある場所を綿棒で拭い真菌を同定します。ほとんど痛みを伴わない検査です。
次回は治療についてお話しします。

 お口のはなしA顎関節症(2)【リベルタ掲載】
前回は、顎関節症の症状や原因についてお話ししました。
肩が凝る、口が開きづらい、口の開閉時に「カクカク」などの音がするなどの症状を引き起こす顎関節症。

今回は、その診断方法や治療方法についてお話します。

診断方法は、口腔内模型(歯型)による検査、レントゲン検査、MRIがあります。特殊な検査以外は痛みは伴いません。

治療方法としては、@薬、Aスプリント両方、Bマイオモニター、C徒手的関節円板整位術、D手術、が考えられます。
Aのスプリント療法は、マウスピースのようなもので、無理な噛み合わせを除去します。Bのマイオモニターは筋肉の痛みを取る機械のことで、例えるなら肩の凝りをほぐす低周波治療のようなものです。
Cの徒手的関節円板整位術は、ヒトの手で円板のズレを治療する方法です。顎関節症に対するほとんどの治療がAのスプリント療法で、手術に至ることは滅多にありません。
また、顎関節症治療のほとんどが保険適用です。

とりあえずアゴにお悩みの方は、歯科口腔外科を受診することをお勧めします。
次回は、意外と多くの人が発症する「口腔カンジダ症」についてです。

 お口のはなし@顎関節症(1)【2008.3.13 リベルタ掲載】
顎関節症という病気をご存知ですか?
肩が凝る、アゴが痛い。口が開きづらい、口の開閉時に「カクカク」「カサカサ」などの音がする...このような症状の方は顎関節症かもしれません。

原因は歯ぎしり、噛み合わせ、ストレス、あるいはこれらの要因が複合していることがあげられます。
なかでも主な原因として噛み合わせが疑われます。

なぜ音がしたり、口が開かなくなるのでしょうか?
アゴの関節の構造は、骨と骨が直接くっついてはいません。骨の間には座布団のような軟らかい組織(関節円板)が存在し、クッションの役割をします。
アゴの関節を保護している関節円板がズレたり、穴が開いたり、関節が変形してしまっていることに原因があります。
では次回は顎関節症の診断方法および治療法についてお話しましょう。

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